安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?④【生前整理の大切な意思表示】

前回に引き続き、自分の実体験をもとに
「自筆証書遺言保管制度」の利用の流れについて、紹介いたします。
※「自筆証書遺言保管制度」…自筆証書遺言書を法務局が預かり、その原本及び画像データを保管してくれる制度。

今回は、遺言書の保管の申請の手続きについてです。
※遺言書の保管の申請を行うことができるのは、遺言者本人のみです(代理人や郵送による申請はできません)。また、一度保管した遺言書は、「保管の申請の撤回」をしない限り、返却されません。

①保管の申請をする法務局を決める。
※保管の申請先は、
・遺言者の住所地を管轄する法務局
・遺言者の本籍地を管轄する法務局
・遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局
の3つのいずれかの中から選んで行うことができます。
ただし、2通目以降、追加で保管の申請をする場合は、最初に保管の申請をした法務局にしか行うことができません。

②遺言書の保管申請書を作成する。
窓口に申請する際に、その場で作成することもできますが、法務局の対応時間の都合上、前もって、申請書の様式を法務省のホームページからダウンロード(記載例や記載上の注意事項もあり)、もしくは、最寄りの法務局の窓口で入手し、作成しておくほうが望ましいです。

③保管の申請の予約をする。
電話またはホームページから、申請する法務局の窓口の予約を取ることができます(手続には予約が必須です)。

④法務局にて保管の申請をする。
予約した日時に遺言者本人が行かなければなりません。
<申請に必要なもの>
・遺言書(ホチキス止めはせず、バラバラのまま持って行く。封筒も不要)
・遺言書の保管申請書
・住民票の写し等(本籍及び筆頭者の記載入りで、マイナンバーや住民票コードの記載がないもの(※作成後3か月以内のもの))
・顔写真付きの官公署発行の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
・手数料:遺言書1通につき3,900円(手続当日、法務局の担当者の指示があってから、法務局で収入印紙を購入して納めればOK)
※(遺言書を外国語で作成した場合)遺言書の日本語による翻訳文が必要になる。

⑤最後に保管証を受け取る。
手続終了後、その場で「保管証」を受け取ります。
※「保管証」について
保管証には、遺言者の氏名、出生の年月日、手続を行った法務局の名称及び保管番号が記載されている。また、保管番号は、保管した遺言書を特定するための重要な番号で、保管番号が分かると、保管した遺言書の閲覧などの手続や、相続開始後に相続人等が「遺言書情報証明書の交付の請求」を行うときに便利。

◎保管証のイメージ(法務省のホームページより)

以上が、遺言書の保管の申請の手続きです。
手続きに問題等が無ければ、その日に手続きは終わります。

そして、大切なことは、
法務局に遺言書を預けていることを、家族などに伝えるなどしてわかるようにしておくことです。
その方法として、保管証のコピーを渡しておくことや、
保管証の存在を伝えたうえで、エンディングノートや万が一ファイルに保管証の原本を挟んでおくようにしましょう。

次回は、
保管完了後に遺言者ができる手続きと、
遺言者が亡くなった後(相続開始後)に相続人等ができる手続きについて、
簡単に紹介いたします。
引き続き、お役に立てば幸いです。

※過去記事はこちら
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】
安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】
安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】
安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?③【生前整理の大切な意思表示】

◎自分では実際にどうしたらよいのかわからない時は、
生前整理のプロの専門家である【生前整理診断士】をお頼りください。
お話をしっかりと伺い、そのお気持ちに寄り添い、親身にサポートいたします。
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