安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?③【生前整理の大切な意思表示】

先日、私自身の遺言書の保管の申請を、管轄の法務局にて実際に行ってきました。
その体験をもとに、
「自筆証書遺言保管制度」の利用の流れについて、紹介いたします。
※「自筆証書遺言保管制度」…自筆証書遺言書を法務局が預かり、その原本及び画像データを保管してくれる制度。

まずは、自筆証書遺言の作成です。
遺言書の作成に当たっては,必ず守らなければならない民法上の要件として、

①財産目録以外は全て自筆で書く(ワープロやパソコンでの作成は無効)。
※財産目録の部分は、ワープロやパソコンを使ったり、通帳のコピーをつけたりしてもOK。その場合は、添付した書面に遺言者の署名押印が必要。

②推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)には、「相続させる」と記載する。
※推定相続人以外の者には、「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載する(推定相続人にも「遺贈する」と記載することは可能)。

③作成した年月日を具体的に記載する(「〇年〇月吉日」などの記載は無効)。

④遺言者の署名と押印が必要(押印は、認印でもOK。ただし、スタンプ印は避けること)。

⑤内容の訂正がある場合は、その場所が分かるように明示して、変更・追加の旨を付記して署名し、変更した場所に押印をする必要がある(二重線だけの訂正は無効)。

加えて、この保管制度において守らなければならない要件もあります。

⑥遺言者の氏名は、住民票や戸籍の記載どおりに記載する(申請時に提出する添付資料等で,申請人である遺言者本人の氏名を確認するため)。

⑦用紙について
・A4サイズのみ
・書いた文字が読みづらくなるような模様や彩色等がないもの(一般的な罫線は問題なし)。
・必ず最低上部5mm、下部10mm、左20mm,右5mmの余白をそれぞれ確保しなければならない(余白部分には何も書いてはならない)。
※参考:法務省のホームページに掲載されている用紙例(印刷して利用可能)

⑧片面のみに記載する(裏面に何も記載してはならない)。

⑨各ページにページ番号を記載する(※余白部分に書かないこと)。
(例)1/2、2/2(各ページ数/総ページ数)

⑩複数ページある場合でも、ホチキス等で綴じない。
※スキャナで遺言書を読み取るため(封筒も不要)。

⑪筆記具について
長期間の保存のため、消えるインク等は使用せず、ボールペンや万年筆などの消えにくいものを使用する。

以上の要件を守って私が自分で作成した遺言書が、次の通りです。
※誰もが簡単に書くことができる遺言書のケースとして、以前のブログで紹介した例にページ番号を追加したものです(ブログ記事はこちら)。

こうして、自筆証書遺言書が完成したら、法務局に行き、遺言書の保管の申請を行います。

字数が多くなったので、
申請の手続きについては、次回紹介いたします。
引き続き、お役に立てば幸いです。

※過去記事はこちら
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】
安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】
安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】

◎自分では実際にどうしたらよいのかわからない時は、
生前整理のプロの専門家である【生前整理診断士】をお頼りください。
お話をしっかりと伺い、そのお気持ちに寄り添い、親身にサポートいたします。
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