「献体」ってご存知ですか?④【生前整理の大切な意思表示】

「献体」とは、
自分の遺体を大学医歯学生の実習教育・研究のために無条件、無報酬で提供する行為のことで、生前に登録しておく必要があります。

最後となる今回は、献体後の流れなどについて、紹介いたします。
※ここに記載している内容は、あくまでも一例です。献体先の機関によって、内容が異なる場合があることをご了承ください。

1.申込手続き後は、名簿に登録され、会員証が発行されます。

2.登録者向けに定期的に会誌が配布されたり、登録者相互の親和を深めるなどのために総会が開催されたりします。

3.献体登録者が亡くなり、実際に献体する時の手順は次のとおりです。
①登録先に連絡します(亡くなってから24時間以内)。
※献体を取り止める場合も連絡します。

②故人の名前、会員番号、亡くなった日時、死因、既往症、遺族の代表者の名前、連絡先を伝えます。

③状況によっては、献体登録先が主治医と連絡を取り、死亡状態を確認します。その際には、主治医または立ち合い医師の名前、病院等の連絡先を伝えます。

④献体が決まったら、引き取りの日時、場所を打合せします(亡くなった病院から直接引き取ることもできます)。
(注)引き取りまでに、次の二点を用意しておく必要があります。
・死亡診断書(コピー)1通
・埋火葬許可証    1通
※故人の住所の役所または亡くなった地区の役所に、献体する旨を伝え、「保存体」と記載のうえ発行してもらいます。なお、火葬場所は空欄となります。役所の窓口で火葬料を支払う必要もありません。

4.時間外(例:平日・土曜日・祝日の17時以降、日曜日の終日など)は、職員の勤務体制の都合上、原則として、引き取りを行うことができません(但し、時間外の受付業務だけは、業者委託して行っている場合があります)。

5.遺体の保存については、専門業者によるドライアイス処置が必要になります(その諸費用は遺族負担です)。また、通常の火葬と同じく、貴金属、金属類などの燃えないものを副葬品としないようにしなければなりません。

6.献体登録先が、予告なく献体業務を一時停止する場合があります(例:感染症流行などに伴う緊急事態宣言の発出、事情により人員確保ができなかった場合、天災等の不測の事態の場合など)

これまで4回にわたり、献体について、紹介いたしました。
献体を考える方が増えている昨今、
その判断の一助になることができれば幸いです。
そして、実際に献体を希望する際は、
そのことを周りの家族などに公言したうえ、書き残しておくことも必要です。
それも大切な生前整理のひとつです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※過去記事はこちら
「献体」ってご存知ですか?①【生前整理の大切な意思表示】
「献体」ってご存知ですか?②【生前整理の大切な意思表示】
「献体」ってご存知ですか?③【生前整理の大切な意思表示】

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