安心して遺言書を残すにはどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】

今回からは、安心できる遺言書の残し方について、紹介いたします。

遺言書を自分の望むとおりに書いたけど…
・遺言書を紛失せず見つけてくれるの?
・誰かに偽造されたらどうしよう…
・無効な遺言書を書いてしまっていたらどうしよう…
などといった心配は、どうしても残ってしまいます。

そのような場合は、
「公正証書遺言」を利用する方法があります。
「公正証書遺言」は、
遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、遺言の法的有効性もチェックしてもらえるなど、公証人の関与の下で作成する遺言です。

「公正証書遺言」のメリットは、
①遺言が無効にならない(無効になるようなミスをなくし、法的に有効な遺言を作成することができる)。
➁遺言を紛失しない(原則として20年間、原本が公証役場で保管される)。
③遺言が偽造されない(公証人が作成するため、偽造の心配がない。また、公証人は遺言者の本人確認を必ず行うので、他人が遺言者の名を騙って偽造することはできない)。
④遺言を自分で書く必要がない(口頭で公証人に内容を伝えるので、文字が書けなくても遺言書を作成できる。言語や聴覚に障害がある方は、通訳者の手話や筆談によって内容を伝えることが認められている)。
⑤遺言の検認が必要ない(作成時点で法的な有効性が確認されているため、家庭裁判所の検認を受けることなく速やかに相続手続きを開始できる)。

また、病気などにより、公証役場に足を運べない場合は、公証人に自宅や病院まで出張してもらうことができます。

このように、「公正証書遺言」は、
自分の意思を安心して実現できる方法になっています。

ただし、デメリットもあります。
①証人が必要になる(公証人以外に証人を2人以上用意しなければならない。この場合、証人も遺言の内容を知ることになるため、プライバシーを理由に作成を諦める人もいる)。
②費用がかかる(各種手数料を合わせて少なくとも数万円からの費用がかかる。※遺言書の保管費用はかからない)。
③時間がかかる(数回にわたる公証人との打ち合わせ、証人探し、必要書類を収集するなど、煩雑な手続きが多い)。

手間と費用と時間などが思った以上にかかるため、イマイチ利用する気になれない…という方もいらっしゃいます。

そういった方は、
令和2年7月から新たに始まっている
「自筆証書遺言保管制度」を利用する方法があります。
この方法だと、
遺言書の紛失や偽造などのおそれがなく、
作成にかかる手数料も安く済み、
家庭裁判所の検認も必要無いなど、
「自筆証書遺言」のデメリットを軽減しつつ、「公正証書遺言」のメリットも一部併せ持つ方法になっています。
私自身も実際に利用しました。

次回は、この「自筆証書遺言保管制度」について、紹介いたします。
引き続き、お役に立てば幸いです。

※過去記事はこちら
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】

◎自分では実際にどうしたらよいのかわからない時は、
生前整理のプロの専門家である【生前整理診断士】をお頼りください。
お話をしっかりと伺い、そのお気持ちに寄り添い、親身にサポートいたします。
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正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?②【生前整理の大切な意思表示】

今回も、前回に引き続き、正しい遺言書の書き方についての内容です。

まずは、正しい遺言書の書き方のポイントです。
①財産目録以外は全て自筆で書く(ワープロやパソコンでの作成は無効)。
※財産目録の部分は、ワープロやパソコンを使ったり、通帳のコピーをつけたりしてもOK。その場合は、添付した書面に遺言者の署名押印が必要。
②推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)には、「相続させる」と記載する。
※推定相続人以外の者には、「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載する(推定相続人にも「遺贈する」と記載することは可能)。
③作成した年月日を具体的に記載する(「〇年〇月吉日」などの記載は無効)。
④遺言者の署名と押印が必要(押印は、認印でもOK。ただし、スタンプ印は避けること)。
⑤内容の訂正がある場合は、その場所が分かるように明示して、変更・追加の旨を付記して署名し、変更した場所に押印をする必要がある(二重線だけの訂正は無効)。
※訂正よりも面倒ではあるが、最初から書き直すほうが望ましい)。

これらのポイントを守って、遺言書は書かなければなりません。

それでは、実際に私が書いた遺言書を例に、
誰もが簡単に書くことができる遺言書のケースを紹介いたします。

そのケースは、
「相続人の一人だけに、すべての財産を相続させる」
という内容です。

なお参考として、私自身の状況は以下の通りです。
・配偶者・子はいない未婚。両親はすでに死去。
・兄弟は兄が2人。私自身は現在、もう1人の兄と実家に同居中。
・もう1人の兄はすでに亡くなっている。亡くなった兄には3人の子がいて、近くの街に一緒に住んでいるが、今後、進学や就職などで遠方に転居する可能性がある。

私の思いとしては、私自身に万一のことがあった場合、
預貯金等の解約や不動産の名義変更等の相続手続きを面倒なく進めることができるようにしておきたいと思い、
同居している兄にすべてを託す遺言書を書きました。

このように遺言書を書いておけば、
遺産は亡くなった時から遺言書に名前が書かれている人のものとなり、
遺産分割協議を要せず、各種の手続きを進めることができます。

私のように、相続人が複数人いて、
「相続人の一人だけに、すべての財産を相続させる」
という相続のやり方を考えていらっしゃる方は、
この書き方で遺言書の正しい要件を満たすことができます。
これなら専門家でなくとも、自分で簡単に書くことができるでしょう。
あとは、誤字脱字等に注意するくらいです。
是非、参考にしていただければ幸いです。
※複数の相続人に、それぞれ財産を指定して個別に相続させる等の遺言書にしたいとなると、専門家に相談したほうが確実です。

ただ、こんな心配をよく聞きます。
・書いたのはよいのだけれど、紛失せず見つけてくれるの?
・誰かに偽造されたらどうしよう…
・無効な遺言書を書いてしまっていたらどうしよう…
など

そのような心配を解決するための方法については、
次回、紹介いたします。

※過去記事はこちら
正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】

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正しい遺言書の書き方ってどうすればいいの?①【生前整理の大切な意思表示】

「遺言書を書いておいたほうがよいのはわかるけど、書き方のルールとか難しくてよくわからないわ…」

遺言書でこのようなお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。
実際、定められた形式に沿って書かれていないと遺言書の内容が無効になったり、相続トラブルにつながったりする可能性があるため、自分で遺言書を書くには重々注意が必要です。

<無効となる遺言書の例>
・本人の独立の意思でないもの(代理で書いたものは無効)
・自署で無いもの(ワープロやパソコンでの作成は無効)
・二人以上で書いたもの(一枚で二人以上の遺言は無効)
・年月日の記載が無いもの(「〇年〇月吉日」は無効)
・署名、押印の無いもの(自署で署名、押印のないものは無効)
・訂正方法を守っていないもの(二重線だけの訂正は無効)
など

こう見ると、ますます自分では遺言書を書くことができないように感じられます。
相続人が多数いて、財産をそれぞれに細かく分けるようにしたいと考えていらっしゃる方はなおさら、専門家に依頼するほうが確実です。

ただし、
「相続人の一人だけに、すべての財産を相続させる」
という考えを内容にする遺言書であれば、
正しく有効な遺言書を自分自身で書くことは、誰でも簡単に可能です。
私自身もそのような相続の考えだったため、自分で遺言書を書くことができました。

次回は、実際に私が書いた遺言書を例に、誰もが簡単に書くことができる遺言書のケースを紹介いたします。
もし、相続に関して、私と同じような相続の考えでいらっしゃる方は、
是非参考にしていただければ幸いです。

◎自分では実際にどうしたらよいのかわからない時は、
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「相続登記の義務化」って何?②【生前整理で知っておきたいこと】

令和6年4月1日から、
「相続登記の義務化」がスタートします。
簡単に言うと、相続による不動産の名義変更の義務化です。

前回に引き続き、今回も「相続登記の義務化」について、紹介いたします。

相続登記をしないことで起きている問題のひとつに、
所有者不明土地の増加があります。
所有者不明土地とは、
・登記簿の名義変更がされていないなどの理由により、所有者またはその相続人を特定することが難しい土地。
・所有者を特定できたとしても転居先が追えないなどの理由により、その所在が不明である土地。
・登記名義人の死亡後、数代にわたり相続登記がされていないなどの理由によって相続人が多数となり、その所在の探索が困難となっている土地。
などのケースです。

所有者不明土地の問題点としては、
・所有者の探索に多大な時間と費用などが必要(戸籍や住民票の収集、現地訪問等の負担が大きいなど)。
・所有者の所在等が不明な場合には、土地が管理されずに放置されることが多い。
・共有者が多数の場合や所在不明の場合、土地の管理や利用のために必要な合意形成が困難になる。
などが挙げられます。
※なお現在、日本にある所有者不明土地は、
全体の約20%(約410万ha)となっており、九州の土地面積(368万ha)を上回っています。

また、今回の法改正により、正当な理由なく、相続登記の申請を期限内(3年以内)にしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。
もし、相続登記の申請が期限内に間に合わない場合は、
その対応として、「相続人申告登記」を利用することができます。
①登記簿上の所有者が亡くなったこと。
②自分が相続人の一人であること。
この2つのことを申し出ることで、10万円以下の過料を免れることができます。

ただし、これはあくまでも、とりあえずの応急措置に過ぎません。
相続登記が完了しないことで、後々面倒なことが起きてしまうことにならないよう、
また、正当な権利を守るためにも、相続登記を完了させましょう。

2回にわたり、「相続登記の義務化」について、紹介いたしました。
相続登記を円滑に進めるためにも、
遺言書の用意や、家族に自分の思いを直接伝えるなど、準備をしておくことが大切です。
これもひとつの生前整理です。

自分では実際にどうしたらよいのかわからない時は、
生前整理のプロの専門家である【生前整理診断士】をお頼りください。
お話をしっかりと伺い、そのお気持ちに寄り添い、親身にサポートいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※過去記事はこちら
「相続登記の義務化」って何?①【生前整理で知っておきたいこと】

「相続登記の義務化」って何?①【生前整理で知っておきたいこと】

相続に備えておくことは、大切な生前整理のひとつです。
昨年、その相続に関連した法改正がなされました。

所有者不明土地等の発生予防のために、不動産登記制度が見直され、
そのひとつとして、相続登記が義務化されることになります。

「相続登記の義務化」とは…簡単に言うと、相続による不動産の名義変更の義務化ということになります。
ポイントは3つです。
1.令和6年4月1日スタート。
2.相続人自らが不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない(遺産分割協議を経た場合は、協議が成立した日から3年以内に登記の申請をしなければならない)。
3.正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがある。
※正当な理由とされているケースの例
・相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
・遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
・申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケース など

なお、相続登記の義務化以前に既に相続していた不動産においても、
相続登記を完了させていない場合は、改正法の施行日(令和6年4月1日)から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
また、氏名・住所などを変更した場合も登記の申請が義務化され、2年以内に行わなければなりません(正当な理由がないにもかかわらず申請しなかった場合は、5万円以下の過料の対象となります)。

そもそも登記とは、
「この不動産は私のものです」と社会に示す(公示する)ものになります。
登記があることで、個人は安心して不動産を売買でき、自治体は適正に固定資産税などを請求できます。
また、銀行は不動産を担保にお金を貸すことができます。

ちなみに、今まで、相続登記の申請は義務ではありませんでした。
日本では、「自分の財産を守るかどうかは自分の自由」とされ、
そのため、「登記するかしないかも持ち主の自由」とされていました。

このため、お金が掛かるから、話がまとまらないから、などといった理由により、
不動産の相続のことは後回しでいいかな…ということができていました。
しかし、こうしたことが背景となり、現在の所有者不明土地問題や空き家問題などにつながっていきました。

次回も、「相続登記の義務化」について、紹介いたします。
お役に立てば幸いです。

台湾の方につながった五月人形【つながる物の生かし方】

「捨てるには忍びないけど…どうしたらいいのかなあ…」

約1年前、
こう悩んでいた方々から、それぞれの五月人形を私が引き継ぎ、
それからずっと、受け継いでくださる方を探していました。

もうすぐ1年近くになろうとしていたところ、
インスタグラムでつながった台湾の方が、
このお人形さんの写真をご覧になって、とても気に入ってくださり、
先日、2体ともご購入くださいました。
そして、台湾のご自宅に届いた後すぐに、お人形さんを飾った写真を送ってくださいました。

大切にされるとともに、昔からの伝統である日本文化のお人形さんが無事につながったことはとても嬉しかったですし、
写真のように、大事に受け継いでくださる方につながったご縁に心から感謝です。
※今では、この台湾の方とは、時々メッセージを交換する仲となっています。

「献体」ってご存知ですか?④【生前整理の大切な意思表示】

「献体」とは、
自分の遺体を大学医歯学生の実習教育・研究のために無条件、無報酬で提供する行為のことで、生前に登録しておく必要があります。

最後となる今回は、献体後の流れなどについて、紹介いたします。
※ここに記載している内容は、あくまでも一例です。献体先の機関によって、内容が異なる場合があることをご了承ください。

1.申込手続き後は、名簿に登録され、会員証が発行されます。

2.登録者向けに定期的に会誌が配布されたり、登録者相互の親和を深めるなどのために総会が開催されたりします。

3.献体登録者が亡くなり、実際に献体する時の手順は次のとおりです。
①登録先に連絡します(亡くなってから24時間以内)。
※献体を取り止める場合も連絡します。

②故人の名前、会員番号、亡くなった日時、死因、既往症、遺族の代表者の名前、連絡先を伝えます。

③状況によっては、献体登録先が主治医と連絡を取り、死亡状態を確認します。その際には、主治医または立ち合い医師の名前、病院等の連絡先を伝えます。

④献体が決まったら、引き取りの日時、場所を打合せします(亡くなった病院から直接引き取ることもできます)。
(注)引き取りまでに、次の二点を用意しておく必要があります。
・死亡診断書(コピー)1通
・埋火葬許可証    1通
※故人の住所の役所または亡くなった地区の役所に、献体する旨を伝え、「保存体」と記載のうえ発行してもらいます。なお、火葬場所は空欄となります。役所の窓口で火葬料を支払う必要もありません。

4.時間外(例:平日・土曜日・祝日の17時以降、日曜日の終日など)は、職員の勤務体制の都合上、原則として、引き取りを行うことができません(但し、時間外の受付業務だけは、業者委託して行っている場合があります)。

5.遺体の保存については、専門業者によるドライアイス処置が必要になります(その諸費用は遺族負担です)。また、通常の火葬と同じく、貴金属、金属類などの燃えないものを副葬品としないようにしなければなりません。

6.献体登録先が、予告なく献体業務を一時停止する場合があります(例:感染症流行などに伴う緊急事態宣言の発出、事情により人員確保ができなかった場合、天災等の不測の事態の場合など)

これまで4回にわたり、献体について、紹介いたしました。
献体を考える方が増えている昨今、
その判断の一助になることができれば幸いです。
そして、実際に献体を希望する際は、
そのことを周りの家族などに公言したうえ、書き残しておくことも必要です。
それも大切な生前整理のひとつです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※過去記事はこちら
「献体」ってご存知ですか?①【生前整理の大切な意思表示】
「献体」ってご存知ですか?②【生前整理の大切な意思表示】
「献体」ってご存知ですか?③【生前整理の大切な意思表示】

「献体」ってご存知ですか?③【生前整理の大切な意思表示】

「献体」とは、
自分の遺体を大学医歯学生の実習教育・研究のために無条件、無報酬で提供する行為のことで、生前に登録しておく必要があります。

今回は、献体に必要な手続きなどについて、紹介いたします。
※ここに記載している内容は、あくまでも一例です。献体先の機関によって、内容が異なる場合があることをご了承ください。

1.献体登録をするには、所定の申込書に必要事項を記入して提出(郵送でも可)するだけです(※私の登録先の大学は、B5サイズの用紙1枚のみでした)。

2.献体登録には、入会費や年会費は必要ありません(※補助金や助成金で運営されている場合)。

3.献体登録には、必ず家族・親族(2人以上)の同意が必要です。
実際に亡くなって献体する際、遺族の立ち会い、承諾が必要になります。この時、担当者が献体について説明し、承諾書に記入することになります(遺骨の引き取りについても説明有り)。
※2人以上となっているのは、できる限り多くの家族・親族の理解を望むためであり、また、同意者が1人だけであれば、その同意者が先に亡くなった場合、献体の承諾を得る遺族がわからなくなるためです。
※遺骨の返還に際して、家族・親族に連絡が取れない場合、行政機関に個人情報の開示を請求する場合があります。

4.同意する家族・親族の範囲は、配偶者の他、三親等以内の血族(両親・子・兄弟姉妹・祖父母・叔(伯)父・叔(伯)母・甥・姪など)です。
※同居の有無、住所の遠近、日頃の付き合いの有無などは問いません。
※姻族(配偶者は除く)は同意できません。また、知人や福祉施設の方も同意できません。

5.身寄りの方が全くいない方は、献体登録できません。

6.実際に献体した後、取り止めることはできます。その際、献体にあたってすでに発生している移送費、保管費等の諸費用は遺族の負担となります。

7.献体登録先では、定期的に遺族を招いて無宗教式で慰霊祭を行ったり、納骨塚や霊安室での回向が行われたりしています。

8.献体登録先が遺体の引き取りを県内などのエリアに限っている場合は、エリア外へ転居すると献体登録を取り止めなければならないことになります(※エリア外への転居後でも変わらず遺体の引き取りに応じる機関もあります)。

次回は、献体登録後の流れなどについて、紹介いたします。
引き続き、お役に立てば幸いです。

※過去記事はこちら
「献体」ってご存知ですか?①【生前整理の大切な意思表示】
「献体」ってご存知ですか?②【生前整理の大切な意思表示】

「献体」ってご存知ですか?②【生前整理の大切な意思表示】

「献体」とは、
自分の遺体を大学医歯学生の実習教育・研究のために無条件、無報酬で提供する行為のことで、
生前に登録しておく必要があります。

今回は、私自身の経験をもとに、実際に献体をする場合の条件などについて、紹介いたします。
※ここに記載している条件は、あくまでも一例です。献体先の機関によって、条件が異なる場合があることをご了承ください。

1.献体は、人体の正常な構造を学ぶためのものなので、臓器提供後の献体はできません。

2.病気や手術の痕があっても献体できます。それは、「正常」なものと比較することにより医学を学ぶことができるからです。ただし、自死や溺死などの事故死、亡くなってから時間が経ってしまった場合等、献体に適さない状況の場合は献体できません。
※一部の感染症に罹患(発病の他、無症状でも細菌やウイルスなどを保有している場合なども含む)の場合は、献体先での二次感染を防ぐための理由で献体できません。
〈感染症の例〉劇症肝炎、B型・C型肝炎、肝硬変、HIVなど

3.亡くなった病院等から直接遺体をお引き取りする他、お通夜や葬儀の後にお引き取りすることもできます。また、遺体の保存のため、必ず専門業者によるドライアイス処置が必要です(その際の諸費用は遺族負担)。
※献体先が負担する費用は、①遺体のお迎え場所から献体先までの移送費 ②火葬代 ③骨壺代 のみ

4.遺骨は、教育・研究の後、火葬に付し、遺族に返還されます。献体先に納骨を希望することはできません。

5.遺骨の返還まで、3~5年くらいかかります。

次回は、献体に必要な手続きなどについて、紹介いたします。
引き続き、お役に立てば幸いです。

※過去記事はこちら
「献体」ってご存知ですか?①【生前整理の大切な意思表示】

「献体」ってご存知ですか?①【生前整理の大切な意思表示】

「献体」とは、
自分の遺体を大学医歯学生の実習教育・研究のために無条件、無報酬で提供する行為のことで、
生前に登録しておく必要があります。

献体された遺体は、
学生が解剖学を学ぶための教材となります。

なお、解剖には大きく分けて、
⑴正常解剖(人体の構造を調べるための解剖)
⑵病理解剖(死後すぐに病変を調べるための解剖)
⑶法医解剖(変死体の死因を調べるための解剖)
の3種類があります。
献体された遺体の解剖は、このうちの⑴正常解剖にあたります。

最近は、昔と比べて解剖への忌避感が薄れてきており、医歯学の発展と向上に役立ててもらおうと、献体を希望する人は増えています。
ただし、実際の手続きなどについてはあまり知られていません。

今回、私自身、今住んでいる福岡県内にある大学に献体登録をすることにしました。
そこで教えていただいたことや、初めて知ったこと、わかったことなどを踏まえ、
次回から、献体に必要な手続きや条件などについて、一例として紹介して参ります。
お役に立てば幸いです。

※夏目漱石も東京帝国大学医科大学(現在の東大医学部)に献体しています(漱石の脳は、現在も東大の博物館に標本として保存されているそうです)。